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29日と30日の2日間、教育業界ニュース「リシード」によるオンラインライブイベント「EdTech Night  Programming Night 2020」が開催されました。

2日目の「Programming Night 2020」では、デジタルハリウッド大学教授 兼 LINEみらい財団企画室の福岡俊弘がモデレーターとなり、企業で教材開発や教育の運営に携わる4人のキーマンと登壇しました。

イベントのトークテーマは「プログラミング教育の必修化」。
2020年度から必修化となった小学校から、2021年度には中学校、2022年度には高校で拡充されるプログラミング教育まで、福岡と対談形式でディスカッションしました。


<イベントタイムテーブル>

●福岡俊弘氏講演:17:00-17:30

●リレー対談

117:30-18:00 福岡氏×LINEみらい財団 西尾勇気氏
218:10-18:40 福岡氏×Makeblock 菊池裕史氏
318:50-19:20 福岡氏×ロボットトイ toio 田中章愛氏
419:30-20:00 福岡氏×ライフイズテック 讃井康智氏  



初回レポートは、
LINEみらい財団の福岡と西尾のパートをお届けします。

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モデレーターを務めたデジタルハリウッド大学教授 兼 LINEみらい財団企画室の福岡俊弘



■福岡教授の講演
「大学入試でもプログミングの試験がスタートしています」

 

 モデレーターも務める福岡の講演、まずは日本におけるプログラミング教育の概要と課題から。

 

すでに大学入試でもプログミングが試験科目として実施されている事例のほか、2022年度から高校で始まる「技術I」「技術II」のプログラミング教育の内容について紹介がありました。
 

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デジタルハリウッド大学の2019年度一般入学試験問題。JavaScriptで神経衰弱のゲームを制作する問題が出題

 

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LINEみらい財団が、20204月に小学校の教員を対象に行ったアンケート結果①


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LINE
みらい財団が、20204月に小学校の教員を対象に行ったアンケート結果②


「現場の先生から不安の声が出るなか、文部科学省が提示した『プログラミング教育によって論理的思考を育む』という目標をいかに実行していくのか、いくつも考えなければいけない問題が存在している」と、福岡は語りました。

国外での取り組みを見てみると、すでに中国の一部の学校では、中学校の段階で人工知能(※人工知能=プログラミング言語Pythonの学習)について学ぶなど、海外におけるプログラミング教育は着々と進んでいます。日本では始まったばかりのプログラミング教育を、今後、中学、高校とつなげていくためにはどうしたらよいのかと、参加者に問いかけました。

 

その上で必要な3つのポイントとして、「今、テクノロジーの世界で起きていることに触れる」「この世界で生きていくための十分な情報モラルを身に着ける」「コンピュータと向き合う」ということが重要だと、最後にまとめました。 

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子どもたちを取り巻く社会全体の課題



福岡の講演のあと、リレー対談のスタートです。

■リレー対談⑴ LINEみらい財団 西尾勇気
「先生の声から始まったLINEのプログラミング教育サポート」



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トップバッターはLINEみらい財団の西尾

西尾はこれまでの活動として、LINECSR活動も含めた取り組みを紹介しました。
 

LINE2011年にサービスをスタートし広く普及しましたが、同時に「LINEいじめ」という言葉が生まれ、大きな課題となりました。

このような社会の問題と向き合うために、2013年からは利益を目的としないCSR活動として、情報モラル教育の出前授業を行っていました。

2019
年は全国2500校で開催し、対面での実施が難しい現在もオンライン授業で継続しています。

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LINECSR活動のひとつが、「情報モラル教育」

出前授業で多くの学校を訪れているなか、2018年頃から聞こえてきたのが、学校の先生たちのプログラミング教育への不安の声です。

 

「どう指導していいのかわからない」「評価の仕方がわからない」「研修をどこで受けたらよいのか」など、これまでプログラミング教育の経験がない先生たちは、不安な思いが多くあったように感じました。

そこで、LINEとしてプログラミング教育でサポートを行えないか検討した結果、2018年からプロジェクトがスタートし、201910月に学習教材「LINE entry」を公開するに至ったのです。 


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 LINEのプログラミングへの取り組み


まずは家庭でも手軽に取り組める無料のプログミング学習環境のほか、授業で使える教材開発、小学校への出前授業など、家庭から学校までをサポートする体制を整えました。

新学習指導要領に対応した授業ですぐ実践できる6本の教材を公開しており、今後、レパートリーを増やしていく予定です。

さらに、他社と連携して開発したプログラミングロボットを今夏、学校向けに発売する予定があるほか、アンプラグド教材としてプログラミングを楽しく学べるボードゲームの開発を行っています。

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プログミングで動くロボット教材やプログラミング的思考がベースとなったボードゲーム



2019年度は、文部科学省、総務省、経済産業省が民間企業と連携して行った「未来の学び プログラミング教育推進月間」(通称「みらプロ」)において、LINEは京都府京都市立の小学校で授業の教材制作に携わりました。

2020
年度も、引き続き「みらプロ」の協力企業として講師派遣などを行っていく予定です、と事業紹介を締めくくりました。

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2019年度に実施した京都市立紫野小学校6年生の事業事例(LINEのチャットボット使用)

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LINE entry】初めてプログミングにふれる子どもでも楽しめるよう3種類の難易度を設けたステージ問題



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LINE entryヘルプ・ヒント機能や保護者向けのガイドなども充実


「LINE entry」を体験した教員からの声について聞かれた西尾は「ゲームのような起承転結のあるものを提供したことで、先生から『プログラミング教育はすごく難しいものを想像していたが楽しいですね』という言葉をいただいた」と、嬉しそうに語りました。

 

また、福岡が「授業のデモで、いったんわざと間違えたプログラムをつくるところが興味深い」と話すと、「間違いもそうですが、子どもが適当にやってできてしまっても、それで終わりにしないことが大切ですよね。なぜできたのか理解がないといけない。間違いを正すのは、理解していないとできないので」と、授業の教材の中に間違い探しを入れている意図を解説しました。

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 事前に福岡と質問をすり合わせ、安心していた西尾だったが最初の質問から変化球を受けたそう

 

「プログラミングはひとつの正解だけではない。ゴールをイメージし、いかに完成へ近付けるか想像する。社会に出た際も、自分で課題を想像し、それらに対してどういう活動しなきゃいけないのか考える力が必要になる」と話す西尾。

 

福岡からLINE entryの課題について聞かれると「訪れたときに、常に発見があるサイトにし、先生自身が学習できるよう使いやすいものにしていきたい」と今後の目標を答えました。

最後に、西尾は「これからプログラミング教育を始める先生をサポートしたい。先生にとっても楽しいツールになるように一緒に活動していきたい」と、イベントに参加している教員たちへメッセージを送りました。
 



以上、オンラインで大盛況となった「Programming Night 2020」イベントレポート① LINEみらい財団編>をお届けしました。リレー対談はMakeblock 菊池氏、ソニー「toio(トイオ)」 田中氏、ライフイズテック 讃井氏へと続きまして、そちらについては後日、お届けいたします。


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text:相川いずみ 
編集:松崎雪奈(LINEみらい財団)