全ての小学生のためのプログラミングコンテスト「Tech Kids Grand Prix 2020」のLINE entryを使用した作品に贈られる「LINE entry賞」を受賞した静岡県の中村心優明さん。小学3年生ながら、まだ学校で習っていない元素記号をテーマにした「化学式ゲーム」で、第3位を受賞しました。この作品には、「素数」を取り入れたプログラムが組まれていたりと、その複雑さは多くの募集作品の中でも印象深いものでした。
一体どんな天才が現われるのか、中村さんを取材するにあたってイメージを膨らませていましたが、オンライン取材当日のPC画面の向こうには、ハキハキとそつなく話す様子や時折見せる無邪気さ、そして弾けるような笑顔がすてきな元気な男の子がいました。
「化学式ゲーム」のこと、学習方法についてなど、中村さんの気になるお話をたくさん伺いました。それではどうぞ!
<中村 心優明さん インタビュー>
――LINE entry賞3位授賞おめでとうございます。
中村さん ありがとうございます。
――まずはこの作品をどうして作られたのか、きっかけなどあったら教えてください。
中村さん 雑誌の「Newton」って知ってますか?
――もちろん! 著名な科学雑誌です。まさか読んでるんですか……?
中村さん はい。実はよく読んでいまして。中でも化学記号の特集を読んだ時、全ての物質が決まった元素からできていることを知り、元素の魅力に惹かれました。そして、化学式の組み合わせをおもしろくゲームにしたら、みんな楽しく元素記号を学べるかなと思い、ゲームにしてみました。
――「Newton」を小学生で……すごいですね。「化学式ゲーム」は社内でも、みんな、久しぶりに化学式を調べてゲームに取り組みました。おかげで化学式を楽しく学び直すことができました。
中村さん ありがとうございます。
――それでは受賞した時の感想をお聞かせください。
中村さん 正直言って、とれると思っていなくて。とてもびっくりしました。すごくうれしかったです!
――本当におめでとうございます。「LINE entry」のことは知っていましたか?
中村さん お父さんから、Tech Kids Grand Prix 2020(以下、TKGP2020)という大会があると聞いて、LINE entry賞はブロック言語なのでやってみようと思いました。
――中村さんはこれまでプログラミングは勉強されていたのでしょうか?
中村さん Scratchは経験があります。JavaScriptは少しさわったことがあるくらいです。
――「LINE entry」は使ってみてどうでした?
中村さん 使いやすくて、簡単に取り組めたと思います。
――良いと思った点はありますか?
中村さん 楽しみながらわかりやすく、そしてすぐにプログラミングを学べるのがいいなと思いました。
――逆にこうなったらいいなと思う点などありましたか?
中村さん これって正直に言っちゃっても大丈夫ですか?
――どうぞ、どうぞ!
中村さん 今回このゲームを作るにあたって、「素数」を判別のときに使ったのですが、その理由が「何を何個押した」みたいな変数にあてるブロックがなくて、最終手段として素数を使ったという感じでして……このブロックがあればいいなと思いました。
――ないブロックをご自分でプログラムすることで組み立てたんですね。
中村さん はい。結構苦戦して、わからないところはお父さんに聞きました。
――それでもすごいです。自分で考えて、組み立てて。プログラミングの才能がありますね。
中村さん それほどでもないです。(笑)
――本当ですよ! それでは中村さんがプログラミングの勉強を始めたきっかけを教えてください。
中村さん 確か、NHKの「Why!? プログラミング」という番組を見て、Scratchをやろうかなと思ったのがきっかけです。それからプログラミングが始まっていったという感じですかね。
――その番組は中村さんにとって、どのあたりがおもしろかったんですか?
中村さん 元から工作とかが好きで。でも工作だけで表わせないものを表わしたいと思ったときにプログラミングならできるかなと思いました。
――やってみていかがでしたか?
中村さん 最初は「簡単じゃん」って思ったところもあったんですけど、やっぱり学習していくうちに何かうまくいかない時に問題を解決するっていうところが結構難しくて……手こずることもよくありますね。
――レベルが上がるほど難しくなりますもんね。そんなときはどうしますか?
中村さん たまに諦めることもありますけど。やってみておかしいなって思ったプログラムをなんとなく見てみて、これがこうなったらって、分解してみていくとわかることもあります。
「化学式ゲーム」はたくさんの元素記号の中から自由に選び、化学式を制限時間内(30秒)にできるだけ多く作成するというゲーム。
――それでは受賞作品の「化学式ゲーム」について、お伺いします。中村さんは化学式って楽しいですか?
中村さん そこですか? いや、化学が好きなので。(笑)
――「化学式ゲーム」ってけっこう難しいじゃないですか? タイムリミットもけっこう早いし、なかなか元素記号が出てこなくて。
中村さん おすすめとしてはCH₄の「メタン」です! メタンで高得点取れます。CとHが4個出るまでスライドしていってください。最高得点は260点ですので。
――なるほど。「メタン」を狙えばいいんですね。中村さんがこのゲームで工夫したところはどこですか?
中村さん やっぱり「素数」を使ったところですかね。元素記号を複数選んだときに化学式を判別するのに「素数」を使ったので、素数をネットで調べて使いました。「あ、この数も素数なんだ?」とかいろいろと発見もありましたね。
――「素数」は学校でまだ習ってないですよね?
中村さん はい。
――というか、そもそも化学……元素記号すら習ってないですもんね、学校では。
中村さん そうですね。まだ小学3年生ですので。(笑)
――その知識量とか学習意欲が素晴らしいですね。中村さんは毎日、どうやって勉強されているんですか?
中村さん 宿題とか自宅でやっているくらいです。
――プログラミングの勉強はしますか?
中村さん 勉強とまではいかないんですけど……本を読んだり、「あ、これプログラミングできるな」って思うとパソコンを開いてやってみたりすることがあります。
――それは作品を自作するってことですか?
中村さん はい、そうですね。
――どのくらいの数を作られたのでしょう?
中村さん 結構、途中で挫折することもあるので、それ含めると40くらいです。しっかり成り立っているものといえば、5〜10作品くらいかと思います。
――それもすごい。学校では、プログラミングの授業はありましたか?
中村さん いや、ないですね。パソコン室はあるんですけど。
――プログラミングも化学も素数も、中村さんには勉強というより、好きだったり興味があることなんですね。
中村さん そうですね。
――またプログラミング大会にチャレンジした方がいいですよ!
中村さん はい。(笑)
――それでは最後に、中村さんの将来の夢を教えてください。
中村さん 将来的には、地震や自然災害を予測したり、防げるようなシステムを作って、多くの人の命を救えるような仕事につきたいと思っています。また、ドラえもんのような感情を持った家族の一員となれるロボットも作りたいと思っています。
――中村さんなら、きっとどんな夢もかなえられそうです。まずはプログラミング大会での優勝、期待してます!
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