第1回ではGIGAスクール構想をめぐる学校現場の状況と課題について。第2回では教員のICT機器を使用した授業への不安、恐怖の解消方法について千葉大学教育学部教授の藤川大祐先生に伺ってきました。
これまでの対談の詳しい内容は以下のリンクからご覧ください。
【対談企画】プログラミング教育の現状に喝! 第1回 GIGAスクール構想の現状と課題
【対談企画】プログラミング教育の現状に喝! 第2回 プログラミング教育が学びの在り方を変える

GIGAスクール構想でついに実現したICT機器ひとり1台の時代。今回はその活用法を問い直します。

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左から千葉大学教育学部教授の藤川大祐先生、みらい財団の福岡俊弘。

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(「GIGAスクール構想に関する教育関係者へのアンケート結果及び今後の方向性について」19ページのこどもからの意見を受けて)

福岡:子どもたちへのアンケート結果が読んでいて面白かったです。子どもたちの感想って素直ですね、「端末のスペックが低い」って意見、声を出して笑ってしまいました(笑)。

藤川:GIGAスクールで支給するタブレットやPCの端末は、スペックが低くてもネットワークを高速にしてクラウドで使うようにしようっていう合意があってそうしたはずなんだけど、もうちょっとちゃんと説明してもいいかなと思いますね。

福岡:この(端末のスペックが低いと言っている)生徒は、端末で何をやろうとしてるんだろう? まさか動画を撮ってTikTokにアップしようとしてるんじゃ……(笑)とか考えてしまいました。この一件でもそうですが、どんな端末を支給するのか、このことだけでも大変な問題なんですね。

藤川:実際にやりながら解決していくっていうスタンスは、国の考え方もはっきり出ていますね。あらかじめ全部答えが出ているわけじゃない。そういうことが、このアンケート結果を読んだ方に伝わるといいのかなって思いますね。

福岡:そのほかにも「制限がかかりすぎて学習に使えるサイトが限られている」という子どもからの声は重要ですね。いわゆる(情報の)フィルタリングはどこの地域でもやってることだと思うんですけど、ネットの中のリアルな現実というと変な言葉ですが、実際にネット世界で起きていることも、ある程度は受け止める必要があるんじゃないかと思います。その上でちゃんとしたリテラシーを教えていく、というか。

藤川:フィルタリングの問題って難しいんですよね。ある程度厳しめにしておいて、必要に応じてカスタマイズして緩めるっていうのが現実的な対応になっています。

福岡:昔、僕も中学校へ行って初めて英和辞典を手にしたときにですね、「S」から始まるあの三文字の単語を検索するわけですよ、男の子なんてね。そして調べた挙句書かれていたことにワーっと笑ったり、喜んだりするような、そういうところがあるじゃないですか。でもそれって何か変な世界の入口になってる訳じゃなくて精々そんなもんだと思うんです。

藤川:それはもちろんそうなんですけど、見て喜ぶだけでは済まないような悪質なページに繋がったらまずいのでやっぱりそれなりに最初はきつめにしておいて、緩めるのは様子見ながらにしたくなるかなって気はします。

福岡:ネットの向こうをどこまで見せるか、難しいですね。ここは永遠の課題のような気もします。

藤川:小学校と中学校じゃちがうでしょうし、なかなか悩ましいと思います。

福岡:それから端末を持ち帰っていいのか、それとも持ち帰らせないのかという問題もあります。学校から端末の持ち帰りOKなところだと、保護者から子どもがゲームしてて困るっていう話になる。これはいったいどうしたもんですかね?

藤川:国は持ち帰りを前提でやっているので、学校や自治体が持ち帰らせていないとするとそれはまずいですね。

福岡:やっぱりこれは新しいランドセルと考えた方がいいんですよね、きっとね。

藤川:端末を毎日持ち帰るのはどうかっていう問題はあって……。そもそも今までもランドセルは重いのに、端末を中に入れてさらに重くなるのはよろしくないですから。毎日持ち帰るのは、例えばデジタル教科書が近い将来整備される、あるいはデジタルを前提にして紙の教科書は薄くなるとか、発展的な内容はすべてQRコードから行くようにして、紙の教科書自体は薄くするとかっていうこととセットだと思います。そうでないと毎日持ち帰り前提にするのはちょっと荷物が多すぎる。

福岡:月曜から金曜日までは学校に置いておいて、週末は持って帰りましょうとか。夏休みになる前に朝顔と一緒に持って帰りましょうみたいなそんな感じですかね?

藤川:今難しいのはコロナで明日からいきなり休みになることもあり得るんですよね。子どもが帰宅したあとに、夜になって感染者が確認されて明日は休みですよ、みたいなことが。だから持って帰るだけではなくて家にあるPCやスマホも含めて、そういうものからアクセスできるようにするということも必要かもしれません。Google ClassroomやMicrosoftアカウントを使ってほかの端末から入るということも併せて考えておく必要があるんだろうと思います。そうすればいちいち端末を持って帰らなくてもいいんですよ。家に端末があるお子さんは家の端末を使えばそれで済みますし。

福岡:本当は学校で支給されてている端末だけを使う必要はなくて、実は何でもいいんですもんね。

藤川:はい、何でもいいですよ。クラウドでやろうっていう前提でこのGIGAスクールをやってますから。ネットにつながっていて、ログインさえできれば何でもいいんです。

第3回はここまで。
次回の最終回は、未来の授業はどうあるべきか、という話に続きます。

「プログラミング教育の現状に喝!」はこちらから
【対談企画】プログラミング教育の現状に喝! 第1回 GIGAスクール構想の現状と課題
【対談企画】プログラミング教育の現状に喝! 第2回 プログラミング教育が学びの在り方を変える
【対談企画】プログラミング教育の現状に喝! 最終回 これからのプログラミング教育の課題

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